お役立ち情報ブログ
製品活用をはじめ、ものづくりに関する様々なお役立ち情報を発信してまいります。
工場のIoT化とは? IoT導入のメリットと具体的な活用事例をご紹介
今回は工場のIoT化に焦点を当て、工場にIoTを導入するメリットや実際の工場でどのようにIoTが活用されているのかを、
事例を交えながらご紹介します。
これからIoT導入を検討されている方に役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
工場のIoT化とは?
IoT(Internet of
Things)は、異なる機器やシステム同士をインターネットでつなぎ、相互に情報をやり取りする技術です。
IoTによって、機器の遠隔モニタリングや制御、データの収集や分析などが効率的に行えるようになります。
工場のIoT化とは、IoTを活用して生産プロセスを改善し、効率化する取り組みのことを指します。
具体的には、生産設備や制御装置(PLC)から稼働データを収集してリアルタイムにパソコンやスマートフォンからモニタリングしたり、収集したデータから稼働率を解析したり、設備のパラメータを遠隔操作で変更するといったことが挙げられます。
これらが可能になることで、工場の業務効率化および生産性向上を実現できます。
工場のIoT導入メリットと活用事例
工場にIoTを導入するメリットを、実際の事例を交えながらご紹介します。
メリット1 . 設備の稼働状態をリアルタイムにモニタリング
LANやセンシング機器を使って工作機械や制御装置(PLC)などの生産設備から稼働データを収集し、システム画面にわかりやすく表示します。
離れた場所にいても工場全体の稼働状況をリアルタイムに把握することが可能です。
さらに、ネットワークカメラを利用すれば映像でより詳細な状態を確認できます。
■ 工場での活用方法
✔
稼働中・停止中・段取り中といった設備のステータス状態をパソコンやスマートデバイスから確認。
✔
異常停止や加工終了など、任意のステータス状態になったらメールで自動通知。
✔
ネットワークカメラで設備の様子を映像でモニタリング。
✔
ドライブレコーダーのようにエラー発生前後の映像を一覧表示し、ピンポイントで再生。
■ メリット
✔
工場内を移動することなく、いつでもどこからでも工場全体の稼働状況をリアルタイムに把握できる。
✔ 夜間の無人運転時において心理的な負担を軽減できる。
✔
同じ画面を見ながら関係者で話しができるのでトラブル発生や急な依頼が入った際に短時間でスムーズに調整できる。
✔
トラブル発生時の様子を映像で確認できるので、迅速かつ的確な原因究明ができる。
メリット2 . 設備から収集した稼働データの集計・解析
設備から収集した稼働データを蓄積し、設備ごとの稼働時間・停止時間・エラーの発生回数や工場全体の稼働率といった実績を任意の期間で集計します。
日・週・月単位で稼働状況が数値やグラフで可視化されることで、作業の無駄や設備の稼働率を下げている原因を洗い出すことができます。
■ 工場での活用方法
✔
蓄積したデータを日報として利用。設備から取得した正確な実績値をもとに現場を管理。
✔
稼働率の低い設備やエラー発生の多い設備特定し、その原因と改善方法を検討。
✔
解析結果をもとに改善を行い、改善前と後のデータを比較することで効果を検証。
✔
蓄積したデータをCSV出力し、検証したい事項に合わせて詳細解析。
■ メリット
✔
設備から収集した実績値を使うため、詳細かつ正確な稼働管理が可能になる。
✔
一日の終わりにその日の状況をすぐに確認できるので、生産の遅れや問題に早く気付くことができる。
✔
定常的に発生する日報作成と集計にかかる手間と工数を削減できる。
✔
紙の日報が不要になり、用紙や印刷・保管管理にかかるコストを削減できる。
✔
知識や経験だけでなく、客観的な数値を使って効率よく改善につなげられる。
✔
改善の効果が視覚的にわかるので、担当者のモチベーション向上につながる。
メリット3 . 設備のパラメータを遠隔から変更
工作機械を例に挙げると、工具補正や工具カウンタといったパラメータを、機械の操作パネルを使わず、パソコンやスマートフォンを使って遠隔から変更します。
さらに、変更履歴を記録することで、問題が起きた際に過去の操作履歴を確認し、原因を特定しやすくなります。
■ 工場での活用方法
✔
産業用ロボットを導入して自動化された生産ラインで、安全柵の外からスマートフォンを使って工具補正値を変更。
✔
パソコンやスマートフォンから工具カウンタの数値確認とリセットを実行。
■ メリット
✔
生産を停めることなく、安全柵の外から設備のパラメータを変更できる。
✔
いつでもどこからでも工具カウンタの確認できるので、工場内を移動する手間と時間を削減できる。
工場におけるIoTの取り組み状況
年々深刻化している少子高齢化による働き手不足の課題や新型コロナの流行により、工場の省人化や効率化・リモート作業の必要性が急速に高まり、大規模工場だけでなく中小規模の工場においてもIoT導入の動きが加速しました。国や自治体による補助金事業も導入を後押ししています。
しかし、その一方でIoT導入がスムーズに進まないケースも多く発生しています。
■ IoT導入がスムーズに進まないケース
- 費用対効果が不明確で、なかなか本格導入に踏み出せない
- 設備から取得するデータ項目など社内の仕様調整に時間がかかり進まない
- 試しにIoT機器を購入して設備と接続してみたが、思うようにデータが取れずそのままになっている
■ IoTの導入検討は、「まずはやってみる」のもひとつの手!
検討が進まなくなってしまった場合、まずは数台の自社設備から実際にデータを取得してみることをオススメします。
どのようなデータが取れるのか、それがどのように可視化されるのかがわかることで、社内の要件がより具体的になり、多くの場合、その後の検討がスムーズに進みます。実際にやってみることで足りない要素があった場合も、運用で補完する方法や取れた情報を活用する部分だけ追加検討することでIoT化が前進します。
一気にゴールを目指すのではなく、スモールスタートで段階的に検証を重ねながら進める方法もぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
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Nazca Neo Linkaが工場のIoT化の第一歩になれば幸いです。 それでは最後までお読みいただきありがとうございました。