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株式会社ゴードーソリューション(以下、ゴードー)は2019年6月10日付けで、熊谷弘之取締役を代表取締役社長に任命しました。新たな経営体制を構築し、昨年度より策定を進めてきた新中期経営計画を本格的に推進してまいります。この機会に、創業から受け継がれるゴードーの想い、そしてお客様への貢献について熊谷社長に聞きました。


― はじめに、ご自身について教えてください。

生まれは、大分県の日田市というところです。かつて江戸幕府の直轄領として栄え、今でも古い町並みが残っています。市内を流れる三隈川は、九州最大規模を誇る筑後川の上流にあたります。川沿いには温泉旅館が立ち並び、屋形船での宴を楽しめるような観光地となっています。実はうなぎが名物であることは、浜松との共通点ですね。

幼少期から青年期にかけて大分県と熊本県を転々としていました。社会人以降も移動が多く、兵庫県や神奈川県など渡り歩いてこのたび浜松に来ました。数えてみると人生で17回目の引っ越しですが、浜松は気候がよく暮らしやすい街ですね。風(※)は非常に強いですけれど(笑)

(※)「遠州のからっ風」と呼ばれる強い北西の季節風が吹くように、浜松(遠州)は風の強い地域です。

 

出身校の大分工業高等専門学校で学んだのは、機械工学。ゴードーの事業領域であるCAD/CAMや工作機械に関連の深い分野です。卒業後は、当時まだ設立して間もなかった新明和ソフトテクノロジ株式会社(以下、新明和ソフト)に入社しました。グループの中核である新明和工業株式会社のパーキングシステム事業部にて、CADの自動作図システムの構築に6年ほど従事しました。

1994年以降は、新明和グループ内でのPDM/PLM(※)の活用推進やネットワークの構築などに従事し、2000年頃からは、グループ内の営業を経て、新明和グループと資本関係のない外部のお客様向けの営業も行うようになりました。2007年には営業部長に就任し、直近の5年間ほどは、外販を専門とするソリューションビジネス部の部長や取締役を務めました。2018年、非常勤役員としてゴードーの経営に参画し、2019年4月からは常勤しています。新明和ソフトの役員は今後も兼任しますが、重心はゴードーに置き、浜松に根差して仕事を行っていきます。

(※)PDM
Product Data Managementの略で、製品に関するデータを一元的に共有・管理すること。生産工程で生じる課題を解決し、効率化を図る手法を指します。
(※)PLM
Product Life cycle Managementの略で、製品の企画・設計から廃棄に至るまでのライフサイクル全体における製品情報を一元管理すること。

 

新明和グループにゴードーを迎えたのは、2018年の4月2日のことでした。私は、この連携の話が出た当初から一連のやり取りに関わっています。このたび、代表取締役に任命されたのは、一番想いのある人物ということだったのではないかと思っています。「承継と変革」という言葉を掲げ、前社長をはじめとする諸先輩方が培ってきた歴史や文化、哲学を引き継ぎながら、変える部分は変えていこうと意を新たにしています。

ゴードーのミッション/ビジョン/バリュー

― 熊谷社長の「ゴードーに対する想い」、具体的にお聞かせください。

将来のありたい姿として「ものづくり総合ソリューション企業」を描いています。ITで日本のものづくりの現場を元気にしていくことが、かねてからゴードーのビジョンでした。

ゴードーでもっとも多くお付き合いいただいているのは、日本のものづくりを支える企業様です。製造業の街、浜松を中心に加工現場のお客様とやり取りを重ねて製品のブラッシュアップを行ってきました。

工場全体の生産性向上など、さらなる貢献をしていくためには、CAD/CAM分野の先にあるIoTの領域でも取り組みが必要だと感じるようになったのは近年のことです。すでに製品のリリースも始まっていますが、さらにそこから枠を広げ、ものづくり全般のソリューションを提案できる企業になっていきたいと考えています。

ゴードーのミッションは、高品質で手ごろな価格のプロダクトとサービスをタイムリーに提供し続けること。それは、ゴードーの特長でもあるかと思います。組織共通の価値観であるバリューは、従来のものを引き継がせてもらいました。ものづくりの喜びやお客様の喜び、働く人の喜びを当社の喜びとする価値観を、全社員で共有していきます。

以上のミッション/ビジョン/バリューを、新中期経営計画の中で明確にしました。新中計は、2020年までを目途に策定しています。2018年に検討していた内容を再度計画する形で、また、新明和ソフトの中計期間とも統一し、この2年間をターゲットに定めました。

― どのように「ものづくり総合ソリューション企業」を目指していくのでしょうか?

製造業システムの上位レイヤーにあたる、MES(※)・生産管理・PDM/PLM等との連携も視野に製品を展開していきます。これまでのCAD/CAM、NC通信分野での製品展開は、加工現場のお客様へ向けたソリューションでした。今後は上位レイヤーにもソリューションを拡充していくことで、製造業全般への貢献をしていきたいと考えています。他社製品との連携も踏まえて、ソリューションの提供方法を検討していくつもりです。

(※)MES
Manufacturing Execution Systemの略で、製造工程の状態の把握や管理、作業者への指示や支援などを行うのこと。

 

また、新明和ソフトが展開する「製造業ソリューション事業」の部分で協業し、シナジーを創出していきたいと考えています。新明和グループ内で培った幅広い製造業向けシステム構築のノウハウを持つ新明和ソフト。自社のプロダクトを持ち、企画・開発に強みがあるゴードーが、事業を補い合う関係を築きます。

さらなる価値と成長を実現するこれからのゴードー

― お客様のニーズやゴードーに求められている立ち位置をどのように捉えていますか?

IoTというワードを目にしない日がないほど、世の中の活用意識が高まりを見せています。「工場マネジメント」を推進するゴードー製品の導入事例も増えてきました。一方で、さまざまな競合製品の出現や工作機械メーカーのIoTマーケットへの参入など、脅威も増えています。そのような状況の中、ゴードーはどのような形で貢献をしていくべきか。直近の2年間で何に注力しなければならないのか。それらを踏まえて、これからの経営戦略をまとめました。

バックオフィスで重点を置くのは人材の育成です。次の世代に通用する社員を育てることを目標に、採用も含めて強化していきます。昨年から始めた新明和ソフトとゴードー間のジョブローテーションも人材育成の一環です。文化の異なる企業の人間が交わることで、両社にとって良い刺激が生まれています。たとえば、2018年からゴードーに出向している新明和ソフトの社員は、プロジェクトリーダーの経験はあるもののプロダクト開発に携わるのはゴードーでの仕事が初めてでした。自社製品の設計という意味では、刺激を受けていますね。逆に彼が持っている開発のプロセス管理では、貢献を見せ始めています。そうした部分でも早速シナジーが感じられます。

― 「承継と変革」を掲げる中で、どのように変わっていくのでしょうか?

お客様のニーズに対して、新製品で応えていけるようにしていくということですね。ゴードーは創業から40年以上にわたり、1万社を超える製造業のお客様にご愛顧いただいてきました。お客様の声を聞く機会をさらに増やしたいと、2019年度にはマーケティンググループを新設しました。プロモーションやブランディングを通じて、お客様とのコミュニケーションをこの先も深めていけたらと思います。

また、今後大きく伸ばしていく計画の工場マネジメントに関する製品の販売方法は、従来からのCAD/CAM製品と大きく変わります。お客様先に出向いて課題をヒアリングし、ソリューションを提案する積極性が必要です。新明和グループとの連携を強化して高めあっていくなど、今までと違う動きをしなければならないでしょう。

将来の日本のものづくりを担う若いみなさんにも、より実践に近い学習の機会を提供したいと思っています。実際に製造業の創造現場で使われているゴードーの製品はバージョンアップを続けています。工業高校や工業系の専門学校の実習向けに、最新の製品をご提供していくこともゴードーのミッションのひとつです。

― 今後はどのように発展していくでしょうか?

さまざまなマーケットが見えている中、ここで再び、グローバルマーケットにチャレンジしていきます。海外進出は2015年度に一度検討し、製品の英語・タイ語対応を進めるなど着手していました。新中期経営計画が終わる2021年度以降の事業化に向けて、マーケットの再調査を進めます。

また、加工現場のIT化、工場マネジメントに続く3本目の柱となる新事業についても検討を進めていきたいと考えています。

個別のご挨拶はこれからになりますが、ゴードーのお客様みなさまとのコミュニケーションを本当に楽しみにしています。「承継と変革」に基づくミッション/ビジョン/バリューを大切にし、ITで日本のものづくりを元気にする「ものづくり総合ソリューション企業」を目指し、ゴードーを引っ張っていく所存です。

 


【プロフィール】
熊谷弘之。1967年生まれ。大分工業高等専門学校を卒業後、新明和ソフトテクノロジ株式会社に入社。2007年に営業部部長、2017年より取締役。2018年より株式会社ゴードーリューション取締役を兼任し、新中期経営計画の策定に参画する。2019年6月10日より同社代表取締役に就任。