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第3回 「アジアの中での日本のものづくりを考える」

今、中国をはじめとするアジアのものづくりが注目を浴びています。アジアの中で日本のものづくりは以前ほど優位にあるとは言い切れません。アジア諸国のものづくりが伸びてくることに比例して、3次元データの流通も多くなってきています。それらを踏まえ今回は「アジアの中での日本のものづくり」をテーマに社団法人日本金型工業会東部支部理事で株式会社日本デザインエンジニアリング 代表取締役 岩壁清行様にお話を伺いました。

I : 株式会社日本デザインエンジニアリング 代表取締役 岩壁清行 様
A : 株式会社ゴードーソリューション 代表取締役 青木秀道



金型メーカーの3次元CAD/CAM導入には障壁がありました
A : 岩壁様は金型工業会の東部支部理事をはじめとしていろいろなご役職につかれていますが、ご紹介を兼ねてどんな肩書きをお持ちか教えてください。
I : 日本金型工業会本部の国際委員と技術委員をしていて、活動は東部支部の技術委員会でしています。また東部支部技術委員会 金型生産システム研究会ではCAD/CAMの検証ということで「3次元CAD/CAMと放電加工機を結ぶEPXフォーマットの策定」をしています。他にJEITA(社団法人 電子情報技術産業協会)と「3D単独図の活用」研究をしていてそのリーダーもしています。
A : 岩壁様の会社(株)日本デザインエンジニアリングについて教えてください。
I :
岩壁清行様
岩壁清行 様
創業は1997年です。創業のきっかけは金型メーカーに勤めた後、インドネシアの金型工場の立ち上げに携わりました。その後、金型工業会のCAD/CAM研究開発グループでの3年契約終わり、もう一度海外へ行こうかと思っていました。その間が数ヶ月あったので、メーカーから3次元システムを借りて、ソリッドモデルを使って実際に金型製作ができるのかという検証をしていました。そこでものづくりに3次元CAD/CAMが使えると思いました。当時、この考え方は主流ではなかったので、今始めれば先頭集団を走れるかなと思い、始めました。ただ始めてみたら、まだまだ金型メーカーが3次元化するというのには障壁が多かったので、スムーズに立ち上がらず、苦労しました。ソリッドでの金型製作と言いながらも、NCデータを作ったり、金型メーカーに対するCAD/CAM導入のコンサルタントをしたり、CAD/CAMメーカーが金型メーカー向けにソフトを開発するためのコンサルタントなどの仕事をメインに日本デザインエンジニアリングを始めました。金型だけではなく、製品設計や協力メーカーとのタイアップで金型の試作・受注もしました。現在は、沖縄にNCデータ作成の事務所があり、フィリピンには3次元CAD/CAMの金型設計・NCデータ作成・製品設計などをしている工場があります。
A : 15年ほど前から「金型製作に3次元CAD/CAMを使う」ということで業界をリードされてきたのですね。
お話の中に「障壁」という言葉ありましたが、それはCAD/CAMの性能でしょうか?それとも人の考え方でしょうか?
I : 道具自体が機能的にまだまだ十分じゃない所もありましたが、どちらかと言うと人の考え方の方が大きいです。今までのやり方から変えられず、「これは2次元でできる」とおっしゃる方が多かったですね。道具の便利さからすると3次元CAD/CAMというのは当時から使えるレベルにありましたが、使う人が3次元でのものづくりに慣れていませんでした。様々な3次元金型メーカーへのシステム導入のお手伝いをしましたが、図面がないとモノができないという職人さんの声が多かったですね。でも私は3次元でやれば簡単にできるのに、なぜこんなに時間がかかるのかと疑問に思いました。日本は中国などのアジア諸国に比べて図面への理解力が深い職人さんが多いので、これが日本の3次元CAD/CAM普及の足を引っ張ってきたような感じがします。
A : 今のお話の中に重要なポイントがあったと思います。自分たちのやり方で日本の金型は世界一になった時代があります。成功体験が大きいとなかなか自分を変えられません。それゆえに今苦しんでいると言うことはできますか?
I : そうですね。かつての栄光が忘れられないじゃないですけど、1990年代に金型メーカーも儲かっていて、3次元CAD/CAMも図面も使いながら、自分たちが世界のトップを走っているという自負があった頃なので、あえて今の自分たちが変わらなくてもいいのではという側面があったと思います。
いろいろなシステムを上手に組み合わせて利用していただきたい
A : 私たちは2次元のCAD/CAMメーカーなので、お客様がずっと図面を使ってくれればソフトも売れるのではないかと思ってしまいますが、それは間違っていて、今の図面はそのほとんどが3次元モデルから作られているという現実があります。つまり、設計部門の方は3次元が定着してきています。3次元CAD/CAMで加工はどこまでできるのでしょうか?その中で2次元加工の位置付けはどうなりますか?
I : 現在のトレンドは3次元モデルがどんどん加工現場に近い所まで流れてきています。これまでは、生産技術や生産準備の部門が3次元モデルを図面化してくれたので、その図面を元に2次元加工をすれば良かった。ところがそれは、上流工程が3次元モデル化しているのに、加工現場で2次元図面へ落とそうとする時「情報を削除している」ということになります。しかもそこに人が介在して、図面+各種指示書、帳票などの作成の手間が増えます。完全な3次元自動化がいいかどうかは別にして、これからは3次元でやれば手を抜ける所はうまく3次元でやって、どんどん手を抜いていくことが必要だと思います。
その中での2次元加工の位置付けですが、私個人としては、加工は全て3次元であると思っています。3次元加工と2次元加工の違いは、ボールエンドミルの場合はXYZ同時3軸で動く。フラットエンドミルの場合はXYの同時2軸でZはその次の段階の階段加工。加工に2次元も3次元もありません。同時に2軸が動いているものを2次元加工と言っているに過ぎないと思います。ドリル加工は直線加工なので、2軸加工と言ってもいいと思います。2次元加工を3次元CAD/CAMでやろうとすると非常に面倒です。
3次元CAD/CAMはボールエンドミルで自由曲面をやるというコンセプトの元に開発しているため、2次元加工や2.5次元加工は開発の優先順位が低かったのだろうと思います。むしろ開発の方向は、同時5軸加工へ向かっているかもしれません。多くの3次元CAD/CAMメーカーの製品からは、2次元加工へのこだわりを感じません。
A : 当社の製品は2次元加工専用ですので、2次元加工にこだわるしか生きる道がありません。工作機械に2次元用や3次元用があるわけではないので、当社が提供できるのは、早く加工できるパス、工具にやさしいパス、精度良く加工できるパスしかありません。
お客様には2次元でやった方が早い荒加工などは当社のソフトを使っていただいて、加工自体が付加価値を生む所は3次元のソフトを使っていただく。3次元CAD/CAMと2次元CAD/CAMをうまく使い分けていただく。ナスカシリーズをお持ちのお客様がほとんどそうした使い方をされていると思います。
ところで加工現場の作業を考えると、3次元CAD/CAMと2次元CAD/CAMの最適な組み合わせはあるのでしょうか?
I : 理想は全て3次元CAD/CAMでできればいいと思いますが、実際コストや操作性を考えると、難しいと思います。どうしても3次元でやらなければいけない設計と、2次元で間に合う加工の所は、最適な組み合わせがいくつも存在していると思います。今はお金があってハイエンドのシステムをそろえられる所はほとんどなくて、コストパフォーマンスを考えるといろいろなシステムを上手に利用するのがいいのだろうと思います。

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